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特別対談

サンディー・ヒスロップ
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佐々木太一

2017年5月23日、バランタイン5代目マスター・ブレンダーのサンディー・ヒスロップ氏と、サントリースピリッツ株式会社の佐々木太一氏のふたりが、5年ぶりの再会を遂げました。
1937年に誕生したバランタイン17年は、今年で誕生80年の節目を迎えます。これを記念して、長い歴史にインスパイアされた逸品「バランタイン17年トリビュートリリース(以下、トリビュートリリース)」が、日本限定で登場。
果たしてトリビュートリリースは、どんな魅力を放つのでしょうか。贅沢で芳醇な香りが次々と広がるように、ふたりの会話も広がっていきました。
「トリビュートリリースは、バランタインの個性のすべてを凝縮していますが、特に甘さを強調した1本になっています」と語るのは、サンディー氏です。
彼は、佐々木氏にとってウイスキーの世界の導き手。初めて出会った5年前、佐々木氏はセールスを担当していましたが、当時からウイスキーの複雑なフレーバーを解析する感覚を鍛えあげ、今ではサントリーの手がける“ウイスキーの顔”として全国を駆け回り、難関資格で知られるスコッチ文化研究所認定「マスター・オブ・ウイスキー」の資格を取得するまでに成長しました。
テイスティンググラスを手に、バランタイン17年とトリビュートリリースの違いを探る佐々木氏。鼻腔いっぱいに、濃厚な甘さが広がります。
「熟成感のある甘さだけじゃなく、柑橘系の甘さも感じられます。甘さの幅が広く、香味をよく閉じ込めていますね」と佐々木氏。すかさずサンディー氏も「クリーミーでリッチなトフィーの香りもするでしょう」と畳み掛けます。
実はトリビュートリリースのキーモルトは、バランタイン17年とほぼ同じですが、その構成比が変更になっています。
バニラやクリームの味わいは、ファーストフィルのアメリカンオーク樽のモルトに由来します。バランタイン17年よりもピートの香りを僅かに減らしつつ、甘さを強調したという、トリビュートリリースだけのレシピを、サンディー氏は作りあげました。水と混ぜると香りはさらに開き、舌触りまで滑らかになります。
「これだけバランスに富み、甘い余韻が長く続くトリビュートリリースなら、フルーツやデザートと合わせるのもいいですね」と佐々木氏。サンディー氏も「そうですね。しっとりしたレーズンが入ったケーキがよく合うと思います」とアドバイス。
飲む時間帯についても、佐々木氏は「バランタイン17年よりも遅めが合いそう」と推察。サンディー氏も「確かに。いつもより遅めの時間に、ゆっくりと味わって、飲んで欲しいウイスキーですね」と同意見です。
「サンディーさん、誰と一緒に飲みますか?」という佐々木氏の問いに対し、「僕は、父親と一緒に飲みたいと考えていますね。でなければ、誰かとても大事な、特別な友だちかな」と答えたサンディー氏。
「なるほど、父親……。そうか、だからトリビュートリリースは、父の日に贈るのにもぴったりなんだ!」と思わず膝を打つ佐々木氏でした。
80年の節目に贈る特別な「バランタイン17年 トリビュートリリース」。その味わいは、途切れることなく継承されるものへの、深い敬意に満ちていました。