サンディー・ヒスロップ
ホテルニューオータニ
小嶋 晋悟
(こじま しんご)
ザ・プリンスギャラリー東京紀尾井町
森 祐介
(もり ゆうすけ)
グランドニッコー東京 台場
飯塚 貴也
(いいづか たかや)
司会
本日は、バランタインに深く関わる皆様にお集まり頂きました。それでは、ご紹介いたします。まず、バランタイン5代目マスターブレンダ― サンディー・ヒスロップさん。そして、マスター オブ バランタインのホテルニューオータニ 小嶋 晋悟さん、ザ・プリンスギャラリー東京紀尾井町 森 祐介さん、グランドニッコー東京 台場 飯塚 貴也さん。以上4名の方にお集まり頂きました。
このセッションでは、マスターブレンダーと2014年に発売したバランタイン マスターズについてお話いただきます。1827年の創業以来190年もの長い歴史の中で、バランタインのマスターブレンダーは5人しかいません。現在5代目のマスターブレンダ―として10年目を迎えるサンディーさんへ質問をしていきたいと思います。
小嶋
ウイスキーに携わる人間にとってマスターブレンダーは憧れの存在です。サンディーさんはどのようにしてマスターブレンダーになられたのでしょうか?
サンディー
実はブレンダーになる前は、今と違う部門で働いていました。当時は生産部門のマネージャーを目指していましたが、当時の上司から「もしマネージャーになりたいのであればウイスキーのブレンディングについて学べ」と言われたのです。それから半年間は週に1度、当時の3代目のマスターブレンダーであったジャック・ガウディ氏の下で学び、さらに翌半年後からは週に2度通うようになりました。当初、自分はブレンダーとして向いていないと不安を感じる時もありましたが、時間とともにマスターブレンダーへの可能性を感じていきました。そして1年後にはブレンダーのメンバーとしてジャック氏に任命され、現在があります。ジャック氏は退職直前に数年かけて慎重に私を選んでくれたのです。4代目ロバート・ヒックス氏の後に、マスターブレンダーに就任できたのは、運と才能が奇跡的に重なったからだと思っています。才能で必要なことは、嗅覚と香りの記憶力です。そして、マスターブレンダーとは、一生働いてもなれない可能性が高く、運もあったと思います。もちろん、ウイスキー作りに対する情熱も必要です。
森
サンディーさんがマスターブレンダーとして発売されたマスターズは、ドライオレンジのような香りが感じられます。その秘密を教えていただけますか?
サンディー
マスターズは、バランタインにとって最も重要なキーモルトであるフルーティーなグレンバーギーにミルトンダフを加え、さわやかな柑橘系とリッチでクリーミーな味わいを表現しています。そのため、森さんがオレンジの香りを感じとられたのだと思います。
森
私は個人的にもマスターズの味が好きです。日本のお客様にはマスターズをどのように飲んでほしいと思われますか?
サンディー
どのように飲んでほしい、ということはありません。日本で流行のハイボールにしていただくとフルーティーな甘さとごくわずかなスモーキーさがあり、ハイボールとの相性は絶妙です。ハイボールはもちろん、様々なスタイルで楽しんでいただける自信作です。
飯塚
マスターズは価格的に12年と17年の中間に位置しますが、どのようなところにこだわって作られましたか?
サンディー
マスターズの構造は長期熟成のモルトと比較的若いグレーン原酒を使うことでフルーティーでクリーミーな飲みやすさを追求しました。さらに、カクテルにしても味わいがブレないことにこだわりました。
司会
マスターズを含め多彩なラインナップをもつバランタインですが日本のお客様にどのように楽しんでいただきたいですか?
サンディー
バランタインにはファイネスト、12年、17年など、さまざまな製品がありますが、どの製品にも一貫した甘さやバランスの良さなどバランタインとしての共通点があります。ロックや水割り、ハイボールなどにした時にそれぞれの個性の違いを楽しんでいただける為、自分の好きな飲み方を見つけてほしいです。様々な飲み方、楽しみ方ができるところが、ブレンデッド・スコッチであるバランタインの魅力です。
<敬称略>